ここからは、今年の目標に沿って自分に向けて感じたことを残します。
まず、「ぺっちゃん」を撮り終えて。
一番大きかったことは、技術的な面でやっと人に見せられるレベルに届いたという実感を持てたこと。それから根本的に自分が映画をつくっていくということに対して、かつてない危機感と共に、これから自分が進むべき方向性を確かに感じ取ることができたことでした。
また、制作過程において主体的に関わってくださったキャスト・スタッフの方々や、このまだまだつたない作品を主体的に観てくださり、上映後に真剣に声をかけてくださった方々、自分の言葉や文章で作品について考えてくださった方々と出会えたことが、僕にとって本当にありがたいことでした。
そういう風に始まることができた「ぺっちゃん」が、これからもっと多くの出会いを引き寄せてくれたら最高だと思います。
次に、自分にとっての映画制作ということ。
とてもシンプルで当たり前のことかもしれませんが、シンポジウムでも(たどたどしくではありましたが)お話させていただいたように、僕は映画監督として生計を立てたいわけではなく、自分の価値観を見つけ出して生き抜き、そこで得たナニカを紡ぎだせるようになりたいと思っています。その表現の創造物として映画を、と。
その思いを、このタイミングで自分の経験として再び得ることができたことが本当に大きかったと感じています。
最後に、今後の活動について。
これまでの自分がつくり上げてきた今の自分や「ぺっちゃん」という作品を受け入れ、もっとずっと深く自分に潜り続け、得たものを誰かが語ったようにではなく、自分の経験として自分が語ることができるようになること。そのために、映画制作において自在に表現できるための技術を磨くこと。
そんなことを感じながら、次回作に向けて準備をはじめたいと思います。
[5回]
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