3月21日、大阪「天劇キネマトロン」へ、戦友:近藤典行監督の「ポニーボーイ、バニーガール」と新作「スィートポテトサンデー」を観に行った。
まったくテイストの違う2作だったが、そこに映っていたものは、紛れもなく近藤典行その人であった。
最後の1コマに至るまで惜しげもなく注がれ続ける情熱、貫かれる信念。制作チームの一体感。「ブレない、媚びない魂の群れ」。
そこで用いられる方法論は常に、いわゆる売れる映画の方程式とは無関係の独自の哲学であるが、映画が本来持つダイナミズムの様なものはむしろ全編からにおい立ち、観客がタダ観るということは許されない。
この、金と体と時間を使ってやって来る観客への、なんたる挑戦。なんたる信頼。
また、各地を映画とともに旅しそこで出会った人々と語るという上映スタイルも、近藤典行の映画づくりを考えたとき、それ以外に考えられないほどにしっくりくる。
人生を払ってこの映画を観た人は、きっと近藤典行を好きになる。
それは、彼の映画が観客によって語られるまさにその時にこそ、個々の価値観が構築されるのを実感することができるからだ。
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